画幅比率はプロンプトのどこに書けばモデルは本当に守るのか

サイト内の1300件超の実例のうち、プロンプトに画幅比率を明記したものが半数を超える。でも同じように比率を書いていても、素直に16:9になるものもあれば、ほぼ正方形に戻ってしまうものもある。差はモデルの性能ではなく、その一文をどこに置いたか、後ろに構図の指示が続いているかどうかにあることが多い。
比率は冒頭に書く、末尾に足すものじゃない
まず位置の話から。`16:9 widescreen wallpaper format` のような記述をプロンプトの末尾に押し込むと、モデルはすでにデフォルトの比率で構図を決め終えていて、比率は最後に画面を引き伸ばすだけの扱いになる。主体が変形して潰れることも多い。
雨上がりの誰もいないベンチは画幅を2文目に書いていて、そのすぐ後に「地平線を低く抑え、画面の大半を重たい曇り空に譲る」と続く——比率と構図の重心はセットで伝えている。同じ書き方は朝の書斎机でもっとはっきり見える。まず横長を決めてから、机は下半分だけ、上半分は光の霞に譲る、という順番だ。
縦位置も見てみる。霧の中の湿地に立つヘラジカは9:16と書いた直後に、角が画面上部三分の一まで届くと指定している。これがなければ、9:16の縦の高さはただの葦原の空白として無駄になっていた。
そのまま使える型:比率のすぐ後に「この比率の中で主体をどこに置き、余白はどこに残すか」を必ず続ける。比率だけ書いて重心を書かないのは、キャンバスだけ渡して構図を渡さないのと同じだ。
縦と横は同じ絵の切り抜き違いじゃない
もっと厄介なのは、縦位置を横位置の切り抜き結果だと思っている人が多いこと。この2つはプロンプトの中で別物として考えたほうがいい。
壁に落ちた1本の植物の影は2:3の縦幅で、画面のほとんどが何もない壁、影が斜めに切り込んでいる——この構図は横にした瞬間に成立しなくなる。影の長さを支えるには縦方向の空間が要るからだ。
逆にサイドラインを駆け抜けるモーションブラーは横幅でないと成立しない。モーションブラーには水平方向の移動距離が要るので、縦にすると動きが途切れてしまう。
判断はシンプルで、画面の中で「動作がどちらへ向かっているか」を考えればいい。縦方向へ伸びる、落ちる、見上げる——縦位置。水平方向へ移動する、広がる、並ぶ——横位置。方向と画幅が噛み合っていないと、比率をどれだけ正確に書いても意味がない。
壁紙系の比率にはもう一段、文字の置き場という制約がある
壁紙には縦横以外にもう一つ制約がある——上に大抵タイトルや時刻、アイコンが乗ることだ。
紫と藍のウェーブの上部に広がる大きな余白は描き忘れではなく、タイトルや文言のために空けてある。この手の画像はそもそも「半完成品」として設計する。森の緑とゴールドのアーガイル柄は別のアプローチで、菱形と菱形の間にわざと隙間を残し、密度を落とすことでどんな文字を乗せても読みやすいままにしている。
なので壁紙系のプロンプトは、比率の後にもう一文、機能的な描写を足すといい。たとえば「上部三分の一はコントラストを抑えて文字を載せられるようにする」といった具合に。「余白を残す」の2語よりずっと役に立つ。
補足を一つ
比率の数値そのものは書き換えないこと。サイト内でプロンプトを二次創作する際の固いルールとして、レンズ、光源、質感、比率といった技術要素は一つも落とさず、数値も変えない。理由は単純で、`50mm f/1.2` を「大きな絞り」と言い換えた瞬間、モデルの解釈はまったく別物になってしまうからだ。
画幅別に整理した完成例をもっと見たいなら壁紙カテゴリに縦横どちらの実例もある。この書き方を完全なプロンプトの骨組みに組み込みたいなら、プロンプトの型がより体系的にまとまっている。「変数を一つだけ変える」効果を検証したいなら、同じ場面で光だけ変える対照実験がそのまま使える方法だ。画幅を決めた後の余白の配分については、余白がジャンルごとに果たす役割で続けて解説している。
