ペット写真のプロンプト:毛色、目つき、光、背景の書き方しだいで、猫も犬も毛のかたまりにならない

自分の猫や犬のAI写真を作ったり、ペットショップやペット用品のメインビジュアルを用意したりするとき、プロンプトが「a cute cat, high quality, 8k」の一行だけ、という人は多い。出てくる画像はだいたいこうなる。毛は均一なひとかたまりのふわふわで、長さも硬さも読み取れない。目は色こそ付いているが生気がない。白い犬は飛んで真っ白な塊になり、グレーの猫はグレーの壁にそのまま消えてしまう。
サイトに収録したペットポートレートの事例を見返すと、安定して仕上がっているものは、品種名のほかに四つのことを必ず書いている。毛の手触り、ピントをどこに置くか、光の役割分担、背景と毛色の関係だ。この四つの順に見ていこう。
一、毛:品種名だけでなく、手触りを書く
品種名が決めるのは輪郭と毛色の模様まで。毛のボリュームは別に書く必要がある。
ブリティッシュショートヘアのブルーのスタジオ撮影には、決め手になる語句がある。dense plush teddy-bear coat だ。「テディベアのような厚いぬいぐるみ毛」は fluffy よりずっと具体的で、モデルは毛を短く密で光を吸い込む質感に仕上げ、丸い頬もふっくらと膨らませてくれる。
ノルウェージャンフォレストキャットは逆方向に振っている。long wild ruff、lynx-tipped ears、つまり長く乱れた首まわりの毛と、オオヤマネコのような耳先の房毛だ。同じ猫でも、片方は「密」、もう片方は「野性」と書くだけで、出てくる雰囲気はまるで違う。

画面にほかの素材があるなら、毛と対比させるのがいい。ハスキーの子犬と蝶の事例で実際に筆を割いているのは、下に敷かれた木の板だ。weathered、visible cracks、dark stains。木が荒れているほど、毛は柔らかく見える。
二、目つき:ピントは目に固定して書く
ペット写真に生気があるかどうかは、八割が目で決まる。ほとんどの出来のいい事例に共通する書き方が二つある。
1. catchlight(キャッチライト)を書く。ブリティッシュショートヘアの事例は bright copper eyes carrying clear catchlights と書いていて、銅色の目にはっきりした光の点が入る。この一文がないと、目はただの平塗りの色が二つ並んだだけになりがちだ。
2. 被写界深度を「どこだけがくっきりしているか」で書く。段ボール箱から顔を出す猫は、only the cat's eyes and nose stay tack-sharp と明言していて、ほかはぼけていてよい。shallow depth of field とだけ書くと、モデルはピントをひげや箱の縁に置いてしまうことがある。
表情の語も、品種の形容詞より効く。ノルウェージャンフォレストキャットは calm, alert expression、つまり「穏やかだが警戒している」。サモエドの事例は black eyes curved in a smile で、目が笑って弧を描く。majestic や adorable のような漠然とした語より、こう書いたほうが顔のパーツにそのまま落ちる。
三、光:主光一灯では足りない、誰が何を担当するかを書く
ペットのスタジオ撮影でいちばん多い組み合わせは、「ソフトボックスの主光+レフ板の補光」だ。ブリティッシュショートヘアの事例がまさに softbox as key with a gentle reflector for fill。補光の役目は影を持ち上げて、毛が影の中で黒くつぶれないようにすることだ。
もっとドラマチックにしたいなら、ロックを歌うマルチーズの役割分担を参考にするといい。a narrow warm rim plus a broader cool ambient fill、細く暖かいリムライトが毛の輪郭に沿って走り、広く冷たい環境光が背景を包む。毛先が暖色に照らされると、被写体が暗い背景から浮き上がる。ノルウェージャンフォレストキャットの soft cinematic rim light も同じ考え方で、背景が霧の松林に替わっているだけだ。
四、背景:毛色と離すか、あえて同系色にするか
背景色は毛色とセットで考える。やり方はだいたい二通りある。
- 同系色にして、目で支える。ブリティッシュショートヘアのブルーに seamless soft grey backdrop、グレーの猫にグレーの背景。この組み合わせは格好いいが、前提として、キャッチライトと補光を書いておくこと。銅色の目が画面の中で唯一の暖色のハイライトになる。
- 色味や明度を離す。サモエドは真っ白な毛で、背景には soft pastel seamless backdrop、淡いピンクのパステルを敷いて、白い毛が真っ白な背景に溶け込まないようにしている。同時に gentle beauty-style softbox light、つまり硬い光ではなく広い面のやわらかい光を使っている。白い毛は飛ぶのがいちばん怖く、毛先の階調はやわらかい光でなければ残らない。
屋外のシーンでも理屈は同じだ。ノルウェージャンフォレストキャットは望遠(telephoto)で松林を一枚の冷たい霧に圧縮し、猫の暖色のたてがみがその手前に「浮かぶ」。
五、よくある落とし穴:パラメーターが矛盾している
日差しの中の犬の事例は、カメラ、レンズ、撮影パラメーターを書いている。Sony A7R IV、24-70mm f/2.8 GM、さらに ISO 100、1/100s、f/8、そのうえで soft, luscious bokeh まで求めている。f/8 は現実には絞り込んだ設定で、背景は比較的はっきり写る。「とろけるようなぼかし」とはぶつかっている。モデルは通常 bokeh のような画面の語を優先し、パラメーターはスタイルのヒント程度にしか扱わない。
だからペット写真では、画面の効果は描写の語ではっきり書き、カメラのパラメーターは添える程度にする。両者が衝突するなら描写の語を優先し、パラメーターは書かないほうがいい。
六、楽しさを狙うなら、犬に「人間の動作」をさせる
純粋なポートレートではなく、印象に残る遊びのある画像を作りたいなら、犬たちの長テーブルのディナーとスーツ姿のブルドッグが参考になる。前者のフックは「人間のように座り、人間の食事を食べている」こと。後者は構図の制約で笑いを支えている。椅子、ひじ掛け、脚、キャスターをすべて画面に入れ、両前足をひじ掛けに乗せる。どれかひとつ切り落とすと、あの大真面目な味が消えてしまう。

汎用テンプレート
ここまでの要点をつなぐと、ペット写真の骨組みになる。角括弧は自分のものに差し替えてほしい。
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Editorial pet photography, 85mm, shallow depth of field: a photoreal portrait of [breed], [coat texture: dense plush / long wild ruff / cloud-white double coat], [eye color] eyes with clear catchlights, [expression: calm and alert / smiling]. Only the eyes and nose are tack-sharp. Lit by a large softbox as key with a gentle reflector for fill [or: narrow warm rim light plus cool ambient fill], against a [background that contrasts with the coat]. --ar 4:5
```
白い毛には大きなやわらかい光を使い、背景には少し色を足すこと。濃い色の毛には補光かリムライトを忘れずに。同系色の背景なら、キャッチライトを必ず書くこと。
人物のライティングの書き方をもっと知りたいならポートレートライティングの書き方を、ペットの写真に文字を置く余白を作りたいならプロンプトでの余白の取り方を読んでほしい。
