AI画像生成モデルの選び方:6つのシーン別対応ガイド
まず議論の範囲をはっきりさせておく。この記事が扱うのはモデルの立ち位置の違いだけで、具体的なバージョン番号やベンチマークのスコアといった、常に更新しないと正確でなくなる情報は扱わない。そうした情報は公式の発表内容を参照してほしい。現時点でサイト内の主な実例はGoogle系のNano Banana / Nano Banana ProとOpenAI系のGPT Image 2から来ており、市場には他にもMidjourney、Flux、Seedreamなどのモデルがあり、それぞれ得意な方向性がある。ただしサイト内の実例が対応していないため、本文では具体的には扱わない。以下、よくある6つのシーンごとに説明する。あくまでサイト内の実例に基づく観察結果に過ぎない。
どちらを使うべきか判断するには、まず自分に二つの質問をするといい。今回の要求は「一発で完成させたい」のか「繰り返し調整が必要」なのか、画面の中に正確に表示させたい文字や複数の参照画像があるかどうか。前者は構造化された長いプロンプトに向いていて、後者は自然文と複数ターンの対話に向いている。この判断基準は以下の6つのシーンすべてに共通していて、単に「どちらが強いか」という漠然とした印象で覚えるより実用的だ。
EC商品画像について、選定の考え方
商品画像でいちばん大事なのは「安定していること」だ――同じ商品でアングルや背景を変えても、商品自体の形状や素材感がぶれてはいけない。この種の要求は構造化されたプロンプトへの反応がより敏感で、Nano Banana Proはこの点で比較的安定した結果を出す。特に複数アングルの画像をまとめて出したいシーンで顕著だ。
この美容液ボトルの商品画像の実例は、ボトルのすりガラス質感と浮遊する影が構造化プロンプトの中で一項目ずつ指定されている。この種の要求はEC商品カテゴリーの他の実例も参考にしてほしい。
人物写真について、選定の考え方
人物写真には二つの要求パターンがある。一つは「精密に制御したい」場合で、姿勢・光・小道具をあらかじめ決めておくタイプ。これは構造化された長いプロンプトを一度にすべて書き上げ、Nano Banana Proに任せるのが向いている。もう一つは「見ながら直したい」場合で、まず一枚出してから表情や細部を少しずつ調整していくタイプ。これはGPT Image 2の対話形式のフローのほうが向いていて、プロンプト全体を書き直す必要がない。

このカフェの人物写真の実例は前者の路線で、姿勢と小道具がプロンプトの中で細かく決められている。この種の人物写真の具体的な書き方はNano Banana画像編集ガイドを参考にしてほしい。
イラスト制作について、選定の考え方
イラスト系の要求は「自然文の理解力」への要求がより高く、キャラクターの表情・動作・構図の関係を一文で説明するほうが、スタイルのキーワードを積み上げるより効果的だ。この点ではGPT Image 2の対話形式による修正ロジックも同様に有効で、まず下書きを出してから、線やカラーリングを一回ずつ調整していける。もしキャラクターの三面図を固定したり、複数ポーズをまとめて高い一貫性で仕上げたりする必要がある場合は、構造化された書き方とNano Banana Proの組み合わせのほうが手間がかからない。どちらの路線を取るかは具体的な要求次第で、必ずしもどちらか一つを選ぶ必要はない。

この二枚組イラストの実例は二回の調整を経て最終的な配色を決めたもので、イラストアートカテゴリーには同種の要求の実例がもっとある。
インフォグラフィックや図表のレイアウトについて、選定の考え方
インフォグラフィックの難しさは、複数のブロックがそれぞれ独立していながら全体としても揃っていなければならない点にある。フィールドごとに分けたプロンプトの書き方はこの点で明らかに有利で、各ブロックの内容・フォント・余白を個別に指定するほうが、モデルに自由にレイアウトさせるより安定する。この種の精密なレイアウトが必要な要求では、Nano Banana Proの指示追従力が比較的際立っている。

このインフォグラフィックの実例は同じ内容を5種類のビジュアルスタイルに切り出したもので、スタイルを切り替えてもブロックの構造がずれていない。具体的なフィールドの分解の書き方は構造化プロンプトの書き方の記事を参照してほしい。
写真編集について、選定の考え方
写真編集という分野では、二つのモデルにそれぞれ役割分担がある。古い写真の修復や、本人一致性(同一人物であることの担保)が厳しく求められるシーン(たとえば同じ顔を修復してもやはり同じ顔である必要がある場合)では、構造化された描写とNano Banana Proの組み合わせのほうが手堅い。部分的な置き換えや要素の削除といった「一部だけ直して他はそのまま」というタイプの要求では、GPT Image 2の対話形式のフローのほうが効率がよく、毎回画面全体を説明し直す必要がない。同じ一群の写真をまとめて処理する場合は前者の安定性の優位性がより際立つ。各画像のプロンプト構造を使い回して、主体の情報だけ差し替えられるからだ。

この古い写真の修復の実例は本人一致性への要求が高く、構造化された描写がより有利になるシーンにあたる。同種の要求は写真編集カテゴリーを、具体的な背景変更や通行人の除去の書き方はChatGPT画像編集コマンド大全の記事により詳しい説明がある。
文字入りポスターデザインについて、選定の考え方
画面に正確な文字を表示させる必要があるシーン(プロモーションポスター、タイトルカード、商品ラベル)では、モデル間の差がより明確に出る――文字の内容は必ず引用符でプロンプトに固定して書き、文字ブロックを積み上げすぎないほうがいい。この考え方は構造化された書き方により適したモデルにも同様に当てはまる。同じレイアウトの中に日本語と英語が混在する必要がある場合は、二回に分けてそれぞれの文言を個別に固定することをおすすめする。一度に混ぜて書くと、フォントや言語同士が干渉しやすくなる。

このファッションウィークポスターの実例は左右分割のレイアウトと文字エリアを分けて指定していて、デザイン素材カテゴリーには文字レイアウト系の実例がもっとある。
まとめ
以上6つのシーンについての選定の考え方だが、核となるロジックは一つだけだ。要求が「一発での精密な制御、複数画像参照での一貫性、画面上の正確な文字」に寄るほど構造化された長いプロンプトの路線が向いており、要求が「見ながら直す、部分的な調整、自然文の説明だけで済む」に寄るほど対話形式の画像編集の路線が向いている。どちらの路線が優れているというものではなく、役割分担が違うだけだ。二つのモデルの直接比較データを見たいなら、GPT Image 2対Nano Banana Pro、GPT Image 2対Nano Banana、Nano Banana対Nano Banana Proの3本を参考にしてほしい。モデル百科のトップページには各モデルの立ち位置の説明がまとまっており、比較専題ページにはさらに多くの組み合わせがある。実例を見ながらすぐ試したいなら、トップページimage.faxianai.comに完全なプロンプトの実例集がある。以上の結論はすべてサイト内の実例に基づく個人的な観察であり、特定の製品やサブスクリプションプランを推奨するものではない。
