ネガティブプロンプトの書き方:よく使うリストと原理
まず定義をはっきりさせる。negative promptは「反対語のプロンプト」ではなく、モデルに「この方向の確率の重みを少し下げてほしい」と伝えるものだ。サンプリングの過程に排除の境界線を一本加えるようなもので、削除ではなく重み下げに近い。
この違いを理解しておくことは重要だ。それがネガティブプロンプトをどう書くべきか、どれだけ書けば効果があるのかを左右するからだ。
いつ書く必要があるか
主にどのタイプのモデルを使っているかによる。従来型の拡散モデル(Stable Diffusionのように、画面上に独立したnegative prompt入力欄があるタイプ)は、ネガティブプロンプトに非常に依存している。なぜなら「何を避けたいか」ということ自体を自然に理解する言語能力を持たず、すべてこのフィールドで確率を強引に押し下げているからだ。
指示理解型のモデル(GPTの画像生成やNano Bananaのような自然文理解の路線を取るもの)は事情が異なる。これらは「要求をはっきり言えば、そのとおりにやってくれる」というタイプに近く、ネガティブプロンプトの効果はこうしたモデルでは限定的だ。それどころか、ネガティブな描写を書きすぎると、モデルに「画面にこれらの要素が出てくる」というヒントとして受け取られてしまい、逆効果になることさえある。おおよそこういうことだ――「赤色にしないで」と強調するほど、かえって赤色に寄りやすくなる。
なので判断基準はシンプルだ。画面上に独立したnegative promptの入力欄があるかどうか。あれば従来どおりの書き方でいい。なければ、要求を通常の説明文の中に書き込めばいい。たとえば「すっきりした背景、余計なものはなし」と直接書けばよく、単独で否定形を書く必要はない。
よく使うネガティブワードのリスト
このリストは場面別に分けている。全部そのまま使うのではなく、必要に応じて選んで使ってほしい。
- 人物写真全般:余分な指、変形した手足、ぼやけた顔立ち、うつろな目、過度なスキン加工
- 画質関連:低解像度、ノイズ、圧縮アーティファクト、露出過多、露出不足
- 構図関連:不適切なトリミング、主体のずれ、余分な枠、透かし、文字
- スタイルの混入:漫画化(写実系を狙うとき)、脂っぽいフィルター感、過度な彩度
比べてみると法則が見えてくる。ネガティブプロンプトの多くは「モデルの傾向のエラー」を解決するためのもので、審美的な問題を解決するものではない。指の崩れや余分な手足は生成モデルの昔からの持病で、この手の言葉をネガティブプロンプトに入れると安定して効く。しかし「醜い」「かっこよくない」といった主観的な言葉を入れてもほとんど無意味だ。モデルは「醜さ」を具体的なピクセルの調整方向に翻訳できない。
手のトラブルについては指が崩れる問題の実用的な解決法という記事を別に書いている。ネガティブプロンプトよりずっと的を射た対処法だ。
いつ書く必要がないか
以下の3つのケースはネガティブプロンプトをそのまま省略してかまわない。
- 自然文理解の路線を取る新しいモデルを使っている場合。要求を肯定形ではっきり言えば十分
- アバターのような小さいサイズで構図がシンプルな画像を生成する場合。もともとエラーの確率が低く、ネガティブプロンプトを足すコストパフォーマンスは高くない
- すでに参照画像を使ってimage-to-imageをしている場合。画面の構造は参照画像で固定されているため、ネガティブプロンプトで修正できる余地はもともと小さい
要はエンジニアリング的な判断だ。ネガティブプロンプトの効果は生成タスクの自由度に比例する。自由度が高いほど(純粋なtext-to-image、参照なし、複雑な場面)ネガティブプロンプトの重みは大きくなり、自由度が参照画像や詳細な説明で固定されているほど、ネガティブプロンプトの限界的な効果はゼロに近づいていく。
実際の比較
同じ人物写真のプロンプトで、ネガティブプロンプトを付けるか付けないかの違いは、複雑なポーズの場面で一番はっきり現れる。たとえば「複数人の集合写真」のようなタスクでは、ネガティブプロンプトを付けないと手足が重なってエラーになる確率が高い。「余分な手足、指の癒着、顔の重なり」といった項目を付け加えると、エラー率をかなり下げられる。しかし一人の正面バストアップの場合は、付けても付けなくてもほとんど差が見えない――もともとエラーの確率が低いからだ。
結論は一言で言える。ネガティブプロンプトはモデルの既知の構造的な弱点に対処するためのものであり、審美的な好みを表現するためのものではない。この境界線をはっきり理解しておけば、闇雲に言葉を積み上げることはなくなる。すぐ試してみたいなら、トップページにプロンプトツールの入口がある。
